片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール

片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール

ホール側外観

ビルのリノベーション 耐震改修大規模修繕 増築で、設計は青木茂先生です。リファイニング建築と青木先生は銘打っています。2011年にこの作品は新建築に発表されていてリファイニング建築の初期のものだと思います。現行法規に遡及適用したり、12条5項報告による既存不適格を証明して、増改築ではエキスパンジョイントを用いて分離独立基礎を設けるなど、新築の設計では想像できないたくさんの苦労や考え方が必要になり、とても難易度の高い設計であることがうかがえる力作だと思います。とても勉強になりました。

片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 金属板の外壁

増築部 金属板平葺き曲面のホール外観

ファサードの曲面は増築部分でエントランスホール 階段ホールが内包されています。

エントランス|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール

エントランス

増築部が鉄骨で持ち出されていて外壁の一部が切り取られたような表現になっています。

妻面柱脚部|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 増築部分が別基礎で作られています。既存建物のフロアレベルの設定のせいかレベルがGLからかなり上がっています。既存建物の設定を変えるのは困難なので、こういうところに改修設計の苦労と忸怩たる思いが感じられます。

妻面柱脚部

増築部分が別基礎で作られています。既存建物のフロアレベルの設定のせいかレベルがGLからかなり上がっています。既存建物の設定を変えるのは困難なので、こういうところに改修設計の苦労と忸怩たる思いが感じられます。

妻面の外装|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 実際の雁行した外壁ラインはルーバーのかなり奥面にあります。面を統一させるために、どうしても改修設計デザインでは『覆い隠す』表現が多くなるのだと思います。

妻面の外装

実際の雁行した外壁ラインはルーバーのかなり奥面にあります。面を統一させるために、どうしても改修設計デザインでは『覆い隠す』表現が多くなるのだと思います。

バックヤード側通路|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 外壁が2種類の折半貼りとなっていました。既存の鉄筋コンクリートの外壁では味気ないので金属板折半貼りとしたのでしょうか。私も折半貼りが好きなので設計に取り入れたことがあります。端部の面戸の処理が難しいと思うのですが、留め部ではプレートを45度に入れて面戸で処理しないディテールになっていました。勉強になります。 既存通路に対して改修で自動ドアがつけられています。たぶんですが、既存通路幅が狭くてプラン上通路幅までは変えることができなかったせいで、自動ドアが2枚引きになっています。苦しいプランニングの中でなんとか自動ドアをつけようと奮闘したのでしょうか。

バックヤード側通路

外壁が2種類の折半貼りとなっていました。既存の鉄筋コンクリートの外壁では味気ないので金属板折半貼りとしたのでしょうか。私も折半貼りが好きなので設計に取り入れたことがあります。端部の面戸の処理が難しいと思うのですが、留め部ではプレートを45度に入れて面戸で処理しないディテールになっていました。勉強になります。

既存通路に対して改修で自動ドアがつけられています。たぶんですが、既存通路幅が狭くてプラン上通路幅までは変えることができなかったせいで、自動ドアが2枚引きになっています。苦しいプランニングの中でなんとか自動ドアをつけようと奮闘したのでしょうか。

インターホン面落ちディテール

折半外壁にとりついたインターホンが面落ち処理されています。かっこいいです。端部が面戸を用いたディテールになっています。面戸は既製品でしょうか。勉強になります。

エントランスホール|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 増築部分と既存部分の間がホールとなっています。階段のデザインがカッコいいのですが、段が不規則で危ない表現に思いました。

エントランスホール

増築部分と既存部分の間がホールとなっています。一段目が白い大理石と思われる仕上げのおおきなフロアとなっていて階段のデザインがカッコいいです。段が不規則ですが、仕上げにコントラストをつけて明確に段がわかるようにデザインされています。しかし、後から黄色の注意喚起テープラインが貼られてしまっていました。

エントランスホール既存鉄骨ブレース補強材|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 開口部が鉄骨ブレースで補強されています。鉄骨接合部のデザインがカッコいいです。耐火被覆がないので、耐火塗料なのかもしれません。

エントランスホール既存鉄骨ブレース補強材

開口部が鉄骨ブレースで補強されています。鉄骨接合部のデザインがカッコいいです。耐火被覆がないので、耐火塗料なのかもしれません。

エントランスホール増築部|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 鉄骨柱が床フロアを支える部分と外壁の支持材の部分が集合して柱が密集しています。とても大変な改修設計だと思います。

エントランスホール増築部

増築部鉄骨柱が床フロアを支える部分と外壁の支持材の部分が集合して柱が密集しています。フロアに柱がたくさん落ちて新築では考えられない部分なので、本当にこれでいいのか悩むとても大変な改修設計だと思いました。勉強になります。

エントランスホール見返し|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 天井の間接照明や壁の部分では、装飾的デザインが多用されています。 建築雑誌を見て来訪するまではもっとシンプルなデザインだと思っていましたが、訪れてみるとファサード外壁だけでなく、外壁すべてとホール全体がかなり装飾的なデザインで覆われていることがわかりました。私も外装の大規模修繕デザインの実績があるのですが、既存の建物のダメなデザインの部分を美しくデザインしなおそうとすると躯体をいじるわけにはいかないのでどうしても装飾的な解決方法になるのだと思いました。とても勉強になります。

エントランスホール見返し

天井の間接照明や壁の部分では、装飾的デザインが多用されています。

建築雑誌を見て来訪するまではもっとシンプルなデザインだと思っていましたが、訪れてみるとファサード外壁だけでなく、外壁すべてとホール全体がかなり装飾的なデザインで覆われていることがわかりました。私も外装の大規模修繕デザインの実績があるのですが、既存の建物のダメなデザインの部分を美しくデザインしなおそうとすると躯体をいじるわけにはいかないのでどうしても装飾的な解決方法になるのだと思いました。とても勉強になります。

階段|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 1階と2階をつなぐメインの階段です。既存建物と増築外壁部分が鉄骨梁でつながっていますが、ピン接合かローラー接合のように見えます。少なくとも剛接合ではないようです。エキスパンションジョイントで増築部と既存部では適用される法令が違うのでしょうか。 一見しただけではわかりませんでした。デザインは蹴上げがパンチング加工されたり曲面壁が木仕上げであったり外壁支持の鉄骨梁ウェブに丸穴加工がほどこされたりしています。

階段

1階と2階をつなぐメインの階段です。既存建物と増築外壁部分が鉄骨梁でつながっていますが、ピン接合かローラー接合のように見えます。少なくとも剛接合ではないようです。エキスパンションジョイントで増築部と既存部では適用される法令が違うのでしょうか。

一見しただけではわかりませんでした。デザインは蹴上げがパンチング加工されたり曲面壁が木仕上げであったり外壁支持の鉄骨梁ウェブに丸穴加工がほどこされたりしています。

2階ホワイエ|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 天井が建築化照明となっています。

2階ホワイエ

天井が建築化照明となっています。

2階階段奥妻面のバルコニー出口|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 新築であれば床レベルと開口部下端高さをフラットそろえたいところですが、開口部立ち上がりが床レベルから露出しています。右手は空調のダクトが通るボックス部分でしょうか。唐突に曲面壁から飛び出ています。改修設計ではどうしても既存躯体のデザインが制約されるので、どうしてもコントロールできない部分を覆い隠さざるをえないのだと思います。新築のようにデザインしようとすると、とても苦しく悩んでしまうような大変な設計だと思いました。どこかで改修設計だと割り切る部分が必要になるのだと思います。

2階階段奥妻面のバルコニー出口

新築であれば床レベルと開口部下端高さをフラットそろえたいところですが、開口部立ち上がりが床レベルから露出しています。右手は空調のダクトが通るボックス部分でしょうか。唐突に曲面壁から飛び出ています。改修設計ではどうしても既存躯体のデザインが制約されるので、どうしてもコントロールできない部分を覆い隠さざるをえないのだと思います。新築のようにデザインしようとすると、とても苦しく悩んでしまうような大変な設計だと思いました。どこかで新築とは考え方を変えて改修設計だと割り切る設計が必要になるのだと思いました。勉強になります。

2階階段からの見返し|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール エントランス部のガラスカーテンウオールや曲面の増築部の壁などデザインが一新され他部分が集合してカッコいいです。

2階階段からの見返し

エントランス部のガラスカーテンウオールや曲面の増築部の壁などデザインが一新された部分が集合してカッコいいです。

バックヤード側外壁|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 既存建物部分の鉄筋コンクリート外壁部分と思われるところが2種類の金属折半貼りで覆われています。装飾的です。

バックヤード側外壁

既存建物部分の鉄筋コンクリート外壁部分と思われるところが2種類の金属折半貼りで覆われています。装飾的です。

バックヤード側外壁ディテール|片岡直樹の建もの探訪|清瀬けやきホール 折半の谷部分と既存外壁との間に面戸部分でクリアランスがありません。外壁に縦胴縁下地なしで直接折半を止める化粧ビスを打っているのでしょうか。既存外壁が層間変位のない鉄筋コンクリートなので良いかと思いますが、既存外壁の不陸処理などこれだけ長い面を通そうとすると思った以上にモルタルを塗り付けることになるように思います。 私はマンションの大規模修繕で外装デザインで面一おさまりを行い、既存躯体の不陸の多さに悩んだことがあります。

バックヤード側外壁ディテール

折半の谷部分と既存外壁との間に面戸部分でクリアランスがありません。外壁に縦胴縁下地なしで直接折半を留める化粧ビスを打っているのでしょうか。既存外壁が層間変位のない鉄筋コンクリートなので良いのだと思いますが、既存外壁の不陸処理など、これだけ長い面を通そうとすると、思った以上にモルタルを塗り付けることになるように思います。

私はマンションの大規模修繕の外装デザインで面一(ツライチ)おさまりを行い、既存躯体の不陸の多さに悩んだことがあります。その時は、既存コンクリート躯体にモルタルを厚塗りするのが剥離落下や重量増が建物性能低下につながるので、上下階でデザインの縁を切り多少雁行していても目立たないデザインに現場で変更したことがあります。

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片岡直樹

片岡直樹建築設備設計一級建築士事務所

代表 片岡直樹

設備設計一級建築士

一級建築士

管理建築士

読売理工医療福祉専門学校非常勤講師

2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。

2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。

デザイナーズマンションの設計でグッドデザイン賞を頂きました。2008

2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。

建築雑誌KJ2016年12月号に「掲載されました。

建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。

制作実績一覧

  1. オフィスデザイン 引越移転内装工事 東京都港区南青山での事例
  2. デザイナーズマンション グッドデザイン賞
  3. デザイナーズマンション グッドデザイン賞
  4. オフィスデザイン・オフィス移転工事 東京都渋谷区神宮前のマスコミ・クリエーター人材派遣会社のオフィス移転工事の事例です。原宿というトレンドにとって特別な地域の街の景色を入り込ませている左側の既存サッシがあります。サッシフレームと新設するホール室内の一体感を持たせるため、ピッチをサッシにそろえながら、天井フレームのフラクタルなステンレス鏡面の雲(クラウド)を作成しています。天井のフラクタクルなステンレス鏡面フレームが遮音壁兼内照壁まで降りてきてホール室内全体を覆うデザインとしています。ホール窓側にスクリーンを下ろして、セミナーや講習会を行えるレイアウトとしています。そのため、映像・音響設備も備えています。木製の親子扉の奥が事務室になります。透明のチェアは相合家具のSMART・Sです。
  5. 頑丈な家
  6. リビングから光庭を介してダイニングを眺める サッシ開口高さとバルコ二ー庇の設計について 写真右手が南面で夏至と冬至の太陽の南中角度差を考慮しながら、梁形とバルコ二ー庇ラインからサッシ高さを導き出しています。そのため、若干、梁下端より上側までサッシがあります。 そうすることで、冬でも日差しがあるときには部屋奥までめいいっぱい日差しが入り、暖かい居心地のいい場所ができるよう設計しています。 環境設計の観点でいいますと、窓から室内に取り込まれる太陽エネルギー量ダイレクトゲインが最大となるよう設計しています。 Low-Eで熱線が入り込まない遮熱仕様のガラスを使用して、窓辺の熱貫流の大きいペリメーターゾーンの熱負荷を軽減する設計の場合は、このような手法はあまり意味がありませんが、今回は予算の関係で複層ガラスではありますがLow-Eではないため、このような手法を使いました。 バルコニー庇のある住宅・マンションでは、このような機械設備の空調や電気に依存せず、太陽エネルギーや方位。風向等を利用したパッシブ設計が第一に重要だと考えています。 その上で、足りない分を床暖房やエアコン空調等で補うのが理想だと考えています。 Low-Eガラスとは Low-Eガラスとは、板ガラス表面にイオンをぶつけて金属膜を作った商品で、断熱性能、遮熱性能があります。 太陽の光は、赤外線(熱エネルギー)、可視光線(目で見ることのできる光)、紫外線(色あせの原因)からなっています。 Low-Eガラスは可視光線を取り入れ、紫外線など有害なものを通さない特徴があります。複層ガラスにこのLow-Eを貼る位置によって2種類の性質を持つ複層ガラスが出来ます。 ひとつは、複層ガラスの空気層の室内側ガラスに金属膜を貼った高断熱Low-E。もうひとつは、空気層の室外側ガラスに金属膜を貼った遮熱高断熱Low-Eです。 高断熱Low-Eは寒い地方で太陽の熱を取り入れ室内の熱も逃がしたくない場合、遮熱高断熱Low-Eは太陽熱をさえぎり、室内熱を逃がさない仕様です。東京の場合、Low-Eといえば通常遮熱高断熱仕様のLow-Eになります。

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