賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例

約築40年の5階建て賃貸併用住宅から8階建てオーナー自宅兼店舗兼賃貸マンションへのバリューアップ不動産建替え事例です。お引渡しから1か月で満室稼働が続いています。グッドデザイン賞2015ノミネート致しました。

デザイナーズマンション外観

7月末のお引渡し1か月で満室稼動となりました。

7月末のお引渡しという入居者募集には厳しい時期での募集開始でしたが、おかげさまで8月中に全ての入居者様が決まる満室稼動となりました。

ハウス・トゥ・ハウス 入居者様募集用ウェブサイトのリンクです。

よろしければ是非御覧下さい→click!!

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例建替えのきっかけ お施主様の意向 現行案までの経緯

周辺環境から建物へ反映された構造計画とデザイン

敷地は、豊島区巣鴨駅前の商業地域で、国道17号線中山道から直交した6m路地を行き、中山道による前面道路の緩和を受けた800%高容積率の建物から、緩和がなくなり100%高建ペイ率の建物へと変化する境目に位置しています。
旧建物は、巣鴨駅前郵便局がテナント入居していた5階建て賃貸集合住宅でした。
8階建て自宅兼喫茶店店舗付き賃貸集合住宅への建替え計画になります。
狭小敷地での高層建築物で、南6m西4m道路に面して居室開口を設けることを考えると、構造計画で、水平方向では耐力壁が偏芯し、高さ方向では塔状比が4倍に近く転倒力が増大することが懸念されました。建物平面形状・立面形状ともにバランスを取り、均等な変形で地震エネルギーを発散させる純ラーメン構造を採用して、特徴的なグリッドフレームをそのまま外部デザインとしています。

建替えのきっかけ お施主様の意向 現行案までの経緯

建替え前既存図立面図断面図

敷地境界斜線制限いっぱいに建てられていました。既存図 断面図 立面図です。

築40年がたち設備配管が床下で施工された建物なので、老朽化によるメンテナンスには下の階の入居者のことわりを得ての工事が必要になり、入居者から見ると心情的に難しい工事となることが多くありました。
当初、郵便局の入居が前提とされていましたが、敷地が狭いため、民営化により郵便以外の窓口業務が拡大したカウンター長を、納めたプランが不可能と判断され、入居が断念されました。共同住宅に用途が統一され、1フロア面積最大の建ペイ率重視の店舗併用建築から、天空率を利用して最大のヴォリュームがとれるように考慮した高容積率の計画へと変化しました。
旧建物からお施主様は一般不動産仲介による客付けで賃貸経営をされていたため、周辺地の賃貸ニーズに明るい方でした。集合住宅部分は、お施主様の意向で賃貸ニーズのリスク分散から1K・1DK・1LDKの3タイプのルームプランを計画しました。

スケルトンインフィルの設計思想を具現化したマンション

デザインコンセプト
設計プロセスにおける『構造=設備=意匠』のバランスの試行

創意工夫した点として、梁スリーブを設けないダクト設備計画としています。これは、耐力壁の無い純ラーメン構造で、ラーメン構造部分に換気扇排気ダクトや縦配管への接続を含めたスリーブを設けることは、構造規定では許容されますが、線材置換の計算モデルでは、そもそも『線に穴は開かない』のでスリーブは考慮されていないことからです。構造モデルと実態建物との整合をより高めた構造計画としています。
非耐力壁にALC軽量気泡コンクリートパネルを採用することは、軽量化により上部構造と基礎構造の負担(転倒する力=杭引抜力)を減らす効果と躯体重量軽減による建設費の低減効果があります。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例商業地で大きな樹木を植える

商業地で大きな樹木を植える

高度利用地域の商業化が促進される地区という立地での賃貸マンションとしての性格から、居住者の利便性と経済性に偏りがちな中で、住み心地や住環境としての佇(たたず)まいをどのように両立させるかに配慮しています。商業地で敷地一杯に建物が建つ街並みの中で、お施主様のご理解を頂き地価の高い貴重な敷地内でセットバックし、配管埋設物が横断する中で、2方向から見渡せる角地に樹高7mの大きな根鉢のシラカシを植樹しています。これだけ大きな植栽ですと、地中埋設物の設計位置にも十分配慮しなければ配管と根鉢が干渉します。植栽が路地にコミュニティーを伝え促そうとしている効果は大きな樹木ならではです。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例住戸内装の工夫

2つの窓辺が楽しめるリビング

都市住居の快適性としてバルコニーを介さず、高層の窓辺から広がる都市の風景を眺めることが出来ます。外部と居室の間にバルコニーの有無による2つの窓辺が楽しめるようにしています。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例住戸内装の工夫

住戸内装の工夫

住棟内外の壁は、柱梁以外を全て乾式部材とすることで住戸の区画を固定せず、間取りのみならず規模までも可変として賃貸需要の変化に応じ、ワンフロアで様々な分割を可能にし、将来的な需要の変化にも対応可能とすることで、賃貸経営リスクの低減化を目指しています。住戸内の設備は、インフィルとして構造躯体から分離しています。パイプスペースから遠い水周りは、スラブダウンで排水勾配を取り、住戸内には上下に貫通する共用設備を一切通さないこととしています。いわゆる住戸内パイプスペースをなしとしています。配管は、すべて共用廊下側のパイプスペースで連結しています。また、梁貫通スリーブも一切無しとしています。すべて床、壁、天井の仕上げ厚の中で配管されています。これは、構造躯体の高耐久化と設備の可変性、更新性を確保することで、入居者退去時の補修、中長期的な修繕を容易なものとし、メンテナンス経費の軽減化をはかっています。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例レンタブル比も向上した建替え後の新建物

レンタブル比も向上した建替え後の新建物

旧建物や近隣の競合する類似建物の賃貸集合住宅形式は、商業地であることから敷地一杯に建設され、斜線制限で上階に行くに従い住戸が小さくなるプランが多くあります。旧建物では垂直動線が斜線制限で取れていないため、通路が多く効率の良い居室の確保が出来ていません。建替えにより天空率を利用してより多くのヴォリュームがとれるように考慮し、全層に垂直動線を通した本計画では、レンタブル比(延べ床面積に対する収益部分の面積比率)が向上し収益性が最大化されています。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例構造と設備、意匠が統合したデザイン

構造と設備、意匠が統合したデザイン

粘り強い靱性型構造とする純ラーメン構造で、非耐力壁に軽量化とロッキング性のあるALCパネルを外壁として用い、平面形状・立面形状(偏芯率・剛性率)バランスを重視し、純ラーメン構造をデザインにも取り入れています。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例外壁がタイル仕上げのマンションとの違い

外壁がタイル仕上げのマンションとの違い

普通のマンションは、基準階妻面は壁が多くあります。タイル仕上げが多く用いられることから、コンクリート耐力壁付きラーメン構造となることが多くあります。しかし、上部の剛性が大きく下層階の剛性が極端に小さいピロティ状の構造は、地震力の集中を招くため基本的に避けるべき計画です。そのため、平面の偏心のない様、両妻面の外壁の耐力壁を取り、片側はALC軽量気泡コンクリート壁・道路側はサッシとしています。また、高さ方向でも全層同様にコンクリート耐力壁を無くすことで、軽量化を図り、靱性型の構造として、バランスの良い層間変形により、杭引抜力(=転倒する力)の低減が図られた計画としています。

屋外避難階段賃貸併用住宅賃貸マンション建て替え

屋外避難階段
コスト削減ためシンプルな仕上げと既製品の多用をしています

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例屋外避難階段

屋外避難階段の見上げ
絵は片岡が足場で自分でペイントしました。

賃貸併用住宅 自宅兼賃貸マンション建替え事例夜景

夜景

繁華街の利便性と静かな佇まいの居住性の両立を目指しました。
端正なファサードと前庭空間が、競合する近隣物件との差別化をもたらしている。
賃貸事業を展開する事業主として大きなシラカシの街路樹が、街並みに貢献する姿勢を発信しています。

PAGE TOP