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住宅/ビル/マンションのデザイン建築設計事務所をしている片岡直樹が向学のために名建築を訪ねるシリーズです。 神奈川県横須賀市にあります高橋晶子先生+高橋寛先生/ワークステーション一級建築士事務所設計の横須賀市健康安全科学センターを見学してきました。外観のみの撮影です。新建築 2006年5月号に発表された作品です。
海の近くにある建物です。免震構造で 敷地内既存地中埋設管をよけるために外形が折れ曲がっているようです。
免震層から上部がテーパーで広がっています。免震層が敷地境界からかなりセットバックが必要になるのでこうなるのだと思いますが、地中埋設障害物が理由のようです。都心の狭い敷地ではこの解決方法はあります。土地の値段が安い地方でわざわざ高い工事費をかけて無理な構造としてテーパーをかけて必要面積を広げなければならない理由が一見しただけではわからないので、デザインのためにテーパーをかけて変わった形にしているのだと普通の人は思うかもしれません。
裏面の外壁は一部で折れています。造形的なデザインではなく埋設障害物を避けるためのようです。屋上部にも外装パネルが施されています。階層や外壁があいまいになるデザインのようです。勉強になります。
正面玄関側外壁の駐車場部分にエキスパンションジョイントをまたぐ部分があります。植栽で前面道路付近はエキスパンションを隠していますが、駐車場から奥の部分はスラブを跳ね出させて浮かした表現になっています。
よく見ると奥の壁部分が本当の外壁でパネル外装部分はバルコニー手摺壁といいますか、外壁と外装が分かれている珍しいデザインだと思いました。
2.3階は検査室などのようですが、外部からの自然採光を必要としない建物なのでしょうか。ガラス面が外壁とは無関係にバルコニー手摺壁側についているので一見すると窓がたくさんある建物に見えますがよく見ると奥の外壁面に窓はほとんどありません。マンション設計でも、バルコニーのデザインをどうするかが大きな検討要素ですが、この事例は初めて見ました。大変勉強になります。
植栽でエキスパンション部分を隠してガラスカーテンウォールがスラブから直接立ち上がっているような表現になっています。太い手摺パイプがかっこいいです。
ターンバックルのデザイン ガラスカーテンウォール下部のキックガード 閲覧図書コーナーの間仕切りなどシンプルで整然としたデザインがかっこいいです。勉強になります。
株式会社片岡直樹一級建築士事務所
代表取締役 片岡直樹
設備設計一級建築士
一級建築士
管理建築士
読売理工医療福祉専門学校非常勤講師
2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。
2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。
建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。