【東京・自社ビル建築】投資効率を最大化する設計の裏側。RCオフィス「バックヤードの合理化」事例

コスト削減と明るい採光を両立したRC造4階建て自社ビルの外観。1階に倉庫を備えた都内のオフィス建築事例です。

自社ビルの建設において、外観やエントランスといった「表の顔」にこだわることは企業のブランディングとして重要です。

しかし、事業としての投資効率を決定づけるのは、実は「バックヤード(裏側)」の設計にあります。

限られた予算と敷地面積の中で、いかに無駄な施工手間を省き、有効な床面積を広げ、将来のメンテナンス費用を抑えるか。

本記事では、メインの事例ページではお見せしていないバックヤード(水回り、設備スペース、倉庫など)の写真を公開します。

設計者である一級建築士・片岡直樹が自ら撮影した現場の記録から、RC壁式構造における「建築費最適化の裏側」を包み隠さずお伝えします。

「このオフィスビルの全体像や詳細なプロジェクト解説は、こちらのメインページをご覧ください」

デッドスペースを利益に変える、階段下の機能的活用

階段下のデッドスペースを活用し建築コストを抑えた、江東区潮見の自社ビル1階トイレ(RC打放し)。

1階倉庫に設けた階段下トイレ。

倉庫エリアは断熱材を使用していないため、外気と接する壁面はあえてコンクリート打放し仕上げを採用。

階段下の傾斜を活かした空間設計で、無駄な面積を省いています。

過度な造作を排し、信頼性の高い既製品を活かすコスト最適化

コストダウンを優先し、既製品の洗面ユニットを採用した自社ビル1階のトイレ手洗い場。

コスト削減を第一に考え、あえて造作工事をせず既製品の洗面ユニットを採用しました。

現場での組み立てや施工の手間を省くことで、バックヤードにおける建築費用を合理的に圧縮しています。

用途に合わせた素材の取捨選択による、メリハリのある予算配分

無骨なコンクリート壁が際立つ、RC造4階建て自社ビルの1階階段下トイレ(別アングル)。

シンプルで機能的な階段下トイレの別アングル。

コストを徹底的に削減しつつも、コンクリート壁式構造ならではの無骨な質感が、倉庫スペースのインダストリアルな雰囲気に馴染んでいます。

現場の施工手間(人件費)を抑える、合理的なユニット採用

既製品を採用して施工手間を省き、予算を最適化した自社ビル1階トイレの洗面ユニット。

手洗い場として必要十分な機能を持つ既製品ユニット。

見栄えよりも「実用性とコストダウン」を最優先とし、限られた予算のなかで事業計画の全体的な投資効率を高める判断をしています。

コンクリートの段差造作を省く、配管スペースの賢い確保術

自社ビル内のシャワールーム。床を150mm上げて配管スペースを確保し、コンクリート施工の手間を削減。

既製品のユニットシャワーと脱衣室。

大工工事で脱衣室の床を150mm上げ、その床下を配管スペースとして利用しています。

コンクリートの床スラブ自体に段差を設ける手間を省き、コスト削減を実現しました。

床面積を最大化し、建築費を抑える「二重床を避けた」設備計画

階段上部の余剰空間を洗濯機パンの設置に有効活用した、RC造オフィスビル2階の洗面・洗濯室。

 2階の洗面および洗濯室。

階段室上部のデッドスペースを有効利用しているため、洗濯機パンの位置が床より一段上がっています。

限られたフロア面積の中で、必要な機能を無駄なくパズルのように配置しました。

2階の水回り(トイレ・洗面・洗濯室)では、給排水の配管を床下ではなく、壁から直接外部へと逃がすルートを採用しています。

これにより、室内に配管用の専用スペース(PS)を作る必要がなくなり、限られた床面積を無駄なく有効活用できます。

さらに、配管を通すための複雑な「二重床」や、コンクリートに段差を設ける施工手間も省けるため、躯体をシンプルに保ちながら論理的なコストダウンを実現しています。

将来の修繕リスクを見据えた、メンテナンスのしやすい設備配置

日々のメンテナンス性と清掃しやすさを重視した、自社ビル2階のシンプルな男子トイレ。

清潔感のある2階男子トイレ。

装飾を排したミニマルな設計は、建築費の削減だけでなく、オフィスビルとして日々の清掃やメンテナンスのしやすさといったランニングコストの低減にも寄与します。

設備スペースと更衣室の統合による、執務エリアの最大化

電気幹線の盤室を兼ねることでオフィススペースを最大化した、自社ビル3階の女子ロッカー室。

 3階の女子ロッカー室。

この空間は、縦方向に電気幹線が通る「盤室」としての機能も兼ねています。

設備用スペースと更衣室を統合することで、執務エリアを少しでも広く確保するための工夫です。

イニシャルとランニングコストの両面を守る天井材の選定

メンテナンス性に優れたジプトン天井を採用した、自社ビル3階の機能的な給湯室(ガス台付き)。

ガス台付きの3階給湯室。

天井裏には換気機器(ロスナイ)などの設備が密集しているため、取り外しが容易なジプトン天井を採用。

将来のメンテナンス費用を抑える、機能性重視の仕上げです。

限られた面積を1ミリも無駄にしない、緻密な寸法計画

従業員のプライバシーに配慮し、給湯室を経由して入る動線を採用した自社ビルの女子トイレ。

執務室から女子トイレへ向かう動線計画。

事務室から直接入るのではなく、給湯室をワンクッション挟むことで、利用する女性従業員が周囲の目を気にしなくて済むよう、細やかなプライバシーの配慮を行っています。

現場の職人の負担を減らし、品質を安定させるディテールの標準化

プランの制約を活かして奥行きを広く確保した、自社ビル3階の使いやすい女子トイレ手洗い場。

3階女子トイレの洗面スペース。

間取りの都合上、横幅は750mmとコンパクトですが、奥行き方向を2150mmと深く確保することで、女性社員が使いやすくゆとりのある手洗い環境を整えました。

既製品の寸法を活かし、隙間処理(フィラー)すら省く徹底した「引き算」

既製品の吊り戸棚を活用し、造作手間とフィラー処理を省略して徹底的にコストダウンを図った女子トイレ。
3階女子トイレ全景。

上部の吊り戸棚は既製品の寸法のまま設置し、壁との隙間を埋める「フィラー処理」もあえて省略。

バックヤードにおける大工手間を徹底的に削減し、コストダウンを最優先しています。
片岡直樹| 建築家|一級建築士|設備設計一級建築士

株式会社片岡直樹一級建築士事務所

代表取締役 片岡直樹

設備設計一級建築士

一級建築士

管理建築士

読売理工医療福祉専門学校非常勤講師

デザイナーズマンションの設計でグッドデザイン賞を頂きました。

2014グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス9の設計監理にて受賞致しました。

デザイナーズマンションの設計でグッドデザイン賞を頂きました。2008

2008グッドデザイン賞をデザイナーズマンション プラザレジデンス8の設計監理にて受賞致しました。

建築雑誌KJ2016年12月号に「掲載されました。

建築雑誌KJ2016年12月号にデザイナーズマンション3作品が掲載されました。

制作実績一覧

  1. コスト削減と明るい採光を両立したRC造4階建て自社ビルの外観。1階に倉庫を備えた都内のオフィス建築事例です。
  2. コンクリート打放しデザイナーズマンション|新宿区市ヶ谷|コントゥール市ヶ谷歌坂
  3. マンション内外装リノベーション工事事例です。|足立区綾瀬
  4. デザイナーズマンション グッドデザイン賞
  5. すがも歯科|歯科クリニック内装工事事例です。
  6. デザイナーズマンション グッドデザイン賞 建築家
  7. オフィスインテリアデザイン原宿での事例
  8. コンクリート打ちっぱなしの家 東京での事例
  9. デザイナーズマンション豊島区巣鴨での事例

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