福岡県福岡市中央区大名に同じ区内の別のビルから事業拡大のため移転引越したデザインオフィスです。お施主様からの要望として、来訪者からオフィス内部が見渡せ、支社でも事業規模の大きさを感じさせるオフィスデザインとするよう要望を頂きました。
オフィスレイアウトデザイン設計だけでなく、LAN工事、電話工事、電源コンセント工事、オフィス家具手配を行っています。今回は支社の規模拡大による移転でしたので旧オフィスの原状回復工事も手配させて頂きました。

ワークスペースが来訪者から伺う事ができます。会社の活気や支社でも大きな規模の事務所であることをアピールできるようワークスペースが見えるオフィスデザインとしています。

出版事業をされている会社で、商品を展示するスペースとして照明壁の中に標本箱をイメージしたショウケースを設けています。標本箱はツインポリカーボネイトパネルの中にどこにも支持材をとることなく浮くように見せるディテールとしています。もちろん浮いているように見せるために上下の照明のグラデーションが標本箱のまわりで途切れることの無いようディテールの設計に注力しています。

行灯のような照明壁で事務室が見渡せる部分はガラス入っています。事務室での電話応答の会話などが筒抜けにならないようにしながら、見渡しの良いオープンスペースを感じられるように配慮するためです。

天井吹き出し吸い込み共にあるエアコンパッケージ方式のスタンダードな既存システム天井で照明システムについても既存を使用しオフィスプランニングモジュールを天井レイアウトに合うように設計しています。

福岡市中央区大名の明治通り沿いは、街路樹が植えられとても気もちのいい街並みです。その街路樹を眺めながら打合せができるコーナーを事務室から出たエントランスホールの窓辺に設け、街路樹の下で気分転換をはかりリラックスできる打合せスペースとしてデザインしています。

エントランスホールを抜け、打合せスペースまで一直線にレイアウトされています。そうすることで、昼間は無採光のエレベーターホールから明治通りの街路樹の緑が眺められるように計画しています。

幅５００ｍｍ程度の壁面ですがここも行灯照明壁として少しでも連続感が出るように設計しています。こういったところを妥協して照明を入れないと良いデザインではなくなると思います。

床から天井まで２５００ｍｍの高さの建具扉として枠を目立たせないデザインとしています。

本テナントビルの設備としてガラスカーテンウォール部分にオートブラインドが標準装備されていました。動きのある設備なのでhe平面間取りプランを優先してせっかくのオートブランドが使えなくなってはもったいないです。その為、窓に面する間仕切壁の設置は既存ブラインドの継ぎ目に来るようにオフィスレイアウトを設計しています。また、その上で照明レイアウトと空調レイアウトを両立させる設計としています。

オフィスレイアウトの設計主旨としましては、共用エレベーターホールから一直線にオフィス内部までお客様を導くわかりやすい動線としています。共用部のプランも借景のように利用してズバッと長い動線をとることでオフィスのスケールを大きく見せることが出来ます。

欄間部分をあけて他の部屋と一室空間として連続させると空調設備の吹出口　吸込み口　照明レイアウトを配慮せずに自由に壁の位置をレイアウトできますが、応接室は打合せの他、個別セミナー・ビデオ補講などを行うスペースとして多目的に使用されるため、遮音性を必要としました。そのため、欄間（らんま）部分をふさいで空調を独立して運転できる位置に応接室をレイアウトしています。

それぞれの個室で空調ON/OFFができるゾーン分けは既存空調の分割レイアウトがあるため出来ません。
しかし、空調設備を増設することなく既存吹き出し口と吸い込み口のレイアウトを念頭に入れながら壁位置を決定しています。
オフィスの空調方式はビルにより違いがあります。この建物では、照明とエアコン空調　換気設備がそれぞればらばらのタイプです。天井内部には　エアコンと換気設備が何機か備わっていてオフィスのフロア全体を空調しています。エアコン一台で空調できるゾーニングと換気設備一機あたりのゾーニングが異なる個別機器設置の場合は、特に間仕切りを天井まで設けるのが難しくなります。遮音性を求めるとどうしても床から天井まで壁を必要とするので、空調機器の移設や増設が必要になります。その場合は、工事業者がビルオーナーが指定した業者が行うようになります。費用の話になりますが、ビルオーナ指定業者は一社指定なので相見積もりによる価格競争はしてもらえません。

空調や照明など天井についている設備と無関係に壁を設けることができます。また、スプリンクラー設備のあるオフィスでは、散水障害とならないようにするために欄間部分に壁を設けないことが必要になるのでこの方法が有効です。

天井内部がつながっているので空調機器をダクトで接続することが容易です。遮音性は普通の壁と同じです。

• 遮音壁として・・・完全性を求め、天井内部も音が回らないようにプラスターボードなどでふさぐ壁です。デメリットとして空調ダクト貫通部　空調機　躯体梁などが天井内部にはありますので施工するには干渉を避けるため空調機の移設が必要な場合やダクトの分節が必要になり見えない部分の費用がかかります。
• 界壁として・・・界壁とよばれる所有区分を分ける壁もこの方法が取られることが多いです。しかし、オフィスビルの場合は、テナントの所有区分の壁がすべてこの界壁であるとは限りません。特にワンフロアを多数のテナントで分割している場合は、スラブまで壁が達していないことが多くなります。そのため、隣のテナントの音が天井内部がつながっているので聞こえることがあります。
• 防火区画面積気区画として・・・この場合は完全に分けることができますし通常、ダクト貫通部も設けることが難しくなります。ダクトが部屋をまたぐ場合は、ファイヤーダンパーや防火区画貫通処理が必要になります。通常はダクト貫通は避けます。

ロッカー・書棚を壁側にレイアウトし、既存テナント照明モジュールのレイアウトに事務机の位置を合わせ、オフィスレイアウトをオーソドックスなレイアウトとしています。
オフィス移転に伴う全般として、オフィスレイアウトデザイン設計だけでなく、LAN工事、電話工事、電源コンセント工事、机・イス・ロッカーなどのオフィス家具を行っています。また、オフィス移転では前のオフィスからの引越しと前のオフィスをテナントに返すための原状回復工事というものも必要です。その手配も全て弊社事務所で行っております。ちなみに、今回のオフィス家具メーカーは何社かの同等仕様で見積をとり選定した結果オカムラとなっています。

街路樹とゆったりとした歩道スペースが確保された素敵な街並みに今回のデザインオフィスはあります。

旅費交通費につきまして

福岡県福岡市中央区大名の事例では、設計はお施主様本社が東京港区青山にある会社の九州支社のオフィス移転工事です。同じ福岡県福岡市中央区に前の事務所があり、新しくこのオフィスへ引越移転しました。打合せは本社で主に行い、現地施工業者への設計意図伝達と工事監理のため現地で打合せ・工場検査等を5回ほど行いました。1回行くごとにもったいないのでビジネスホテルに泊まりで2日以上現地打合せをまとめて行うようにし、工事中は工期が短く緊急対応のため完成前3日間現地に張り付いていました。こちらの事例では、交通宿泊費は実費として18万円弱を設計監理費とは別に請求させて頂いております。
お施主様に教えて頂いたのですが、歩いていけるところに、博多ラーメンで有名な一風堂があります。工事監理で5回程現地に伺いました。毎食一風堂の赤丸（こってり）と白丸（あっさり）ばかり食べてました。^_^;