デザイナーズマンションの価値は、美しいコンクリート打ち放しの壁面だけで決まるのではありません。
むしろ、入居者からは見えない「天井裏」にこそ、その建物の長期的な資産価値を左右する、建築家の真価が隠されています。
新宿区市ヶ谷の現場では今、断熱材の吹付やユニットバスの設置といった内装工事が進行中。
その中で特にこだわっているのが「換気ダクトのルート」です。
日影制限による斜めの壁にそのままダクトを通せば、将来の雨漏りのリスクが格段に高まります。
私たちは、あえて手間をかけてダクトを垂直の壁から排気させることで、そのリスクを徹底的に排除しています。
この記事では、断熱とデザインの戦略的な両立から、将来のメンテナンス性まで考慮した設備設計まで。
建築家の見えないこだわりが、いかにしてお客様の資産を守るのか、その具体的な仕事をご紹介します。
新宿区市谷での鉄筋コンクリート造4階建て新築賃貸マンションの建替え建設事例です。
上の写真は203号室 写真右手の壁は外壁に面する壁なので内断熱吹付ウレタンです。
写真左手の壁は、コンクリート打放し仕上になります。
天井はLGS下地のボード貼りビニールクロス仕上になります。
写真奥にユニットバスの据え付けが完了しています。
301号室 アルミサッシが取り付けられています。
床配管施工中です。
303号室 床配管 温水管 給水管 排水管施工中です。
天井部には浴室 洗面 トイレの3室の換気ダクトとキッチンレンジフードの排気ダクトが施工されています。
排気ダクトの外壁面への取付箇所が垂直面で排気されるようにダクトルートを決定しています。
これは、斜め壁にダクト貫通部を取ると雨仕舞が悪くなり漏水のリスクが高まることを避けるためです。
既製品は斜壁への対応はフードやファイヤーダンパー・点検口が対応しずらくなります。
302号室 床配管の施工中です。両側の壁は居室部分とキッチンがコンクリート打放し仕上になります。
2号室はバルコニー側サッシの両側に袖壁があり両方向からキッチンレンジフードダクトと3室換気ダクトが天井面を回ります。2号室は外壁に面する壁面が一面しかないためです。
204号室 ピンク色に見える部分は内断熱ウレタン吹付厚さ50mmです。省エネ法による基準を満たしています。
写真右側のLGS下地は水回り部分です。ユニットバスの据え付けが完了しています。
202号室 洋室から玄関方向をみています。ユニットバスの据え付けが完了しています。
201号室 洋室から玄関方向を見ています。
写真左手の壁は外壁に面する壁なので断熱がされています。写真右手の壁は界壁です。
コンクリート打放し仕上になります。
天井にLGS下地の下がり天井があるのは換気ダクトを天井内に納めるためです。
402号室 写真右手の壁にはサッシ掃き出しの開口があります。この部屋には東面に広いバルコニーがあります。
101号室 キッチンスペースから洋室方向を見ています。写真右側のコンクリート打放しの壁と梁は外壁に面さない耐力壁です。断熱が不要なのでコンクリート打放し仕上としています。
ピロティ奥からエントランス方向を見ています。天井は外断熱の上センチュリーボード仕上となる予定です。
壁面はコンクリート打放し仕上となります。床はコンクリート洗い出し仕上ですが、床仕上げは最後の最後です。
前面道路側外観
設計監理時の完成予想CGパース



