日影規制や高度斜線制限によって生まれる「斜めの壁」。
これは都市部のマンション計画において、単なるデザイン上の制約と捉えられがちです。
しかし、私たちの設計では、これを建物の強さを生み出す積極的な要素として活用しています。
新宿区市ヶ谷の現場では、「壁式構造」を採用することで、この斜壁そのものを柱や梁の役目を果たす「構造体」として計画。法規制をクリアするだけでなく、建物の耐震性にも貢献させています。
今回は、その要となる4階床の配筋検査の様子です。
設計監理者である私に加え、専門の構造設計者も立会い、複雑な鉄筋の納まりを二重の目で厳しくチェックします。
この記事では、困難な課題を設計力で乗り越え、目に見えない部分の品質をいかにして確保していくか、その最前線をお見せします。
RC賃貸マンション建設事例 4階床構造設計者による配筋検査
東京都新宿区市ヶ谷で進む、鉄筋コンクリート造4階建て賃貸マンションの建設事例です。
今回は、4階床コンクリート打設前に実施した構造設計者による配筋検査をご紹介します。
鉄筋コンクリート造では、コンクリートを打設すると鉄筋は完全に見えなくなります。
そのため、打設前の配筋検査は建物の品質を左右する重要な工程です。
今回は設計監理者である私に加え、構造設計者にも現場へ立ち会っていただき、図面どおりに施工されているかを細かく確認しました。
構造設計者と現場監督による図面照合
配筋検査では、構造図と現場を一つひとつ照らし合わせながら確認を行います。
構造設計者、施工会社の現場監督、設計監理者が同じ図面を見ながら、鉄筋径や本数、定着長さ、開口部周辺の納まりなどを確認していきます。
完成すると見えなくなる部分だからこそ、複数の専門家によるチェックが重要になります。
法的制約から生まれた斜壁を構造体として活用
4階屋上北東部では、日影規制と高度斜線制限の影響により、建物の外壁が斜めになっています。
一般的には法規制への対応として設計されることが多い部分ですが、本計画では壁式鉄筋コンクリート構造を採用しているため、この斜壁そのものが建物を支える構造体として機能しています。
柱や梁だけではなく、壁全体で建物を支える壁式構造だからこそ実現できる設計です。
法規制への対応と耐震性の確保を両立させています。
壁式構造ならではの鉄筋の納まり
壁の内部には、屋根から床まで連続して多くの鉄筋が配置されています。
コンクリートが打設されると、この鉄筋と一体化して強固な鉄筋コンクリートの壁になります。
完成後には確認できない部分ですが、この鉄筋の配置や定着が建物全体の耐久性や安全性を支える重要な役割を担っています。
完成後には見えない品質を守る設計監理
RC造マンションは、完成後には美しいコンクリートだけが見えます。
しかし、本当に重要なのはその内部にある鉄筋や構造です。
設計監理では、完成後には確認できない部分こそ丁寧にチェックし、安全性・耐久性・品質を確保しています。
完成した建物だけでは伝わらない、RC賃貸マンションづくりの現場をご覧いただければ幸いです。
複雑な斜壁部分も現場で確認
特に北東部の斜壁では、傾斜した壁と垂直梁が接するため、鉄筋の定着方法が複雑になります。
現場では構造設計者と施工会社、設計監理者が実際の配筋を見ながら納まりを確認し、図面どおりに施工されていることを確認しました。
こうした積み重ねが、長く安心して使えるRC賃貸マンションにつながります。
402号室のバルコニーから北側の眺めです。
RC賃貸マンション・デザイナーズマンションをご検討中の方へ
株式会社片岡直樹一級建築士事務所では、鉄筋コンクリート造賃貸マンションを中心に、デザイン性と構造・施工性のバランスを重視した設計監理を行っています。
RC賃貸マンション、デザイナーズマンション、RC住宅をご検討の際は、お気軽にご相談ください。



